コロナで見えたフラット35の底力「返済特例」

2021年現在、住宅ローンは超低金利の時代を迎えており、変動金利では0.4%とかそういった水準で推移しております。10年以上にわたって低金利が続いているので、多くの方は変動金利を選択しており、フラット35といった全期間固定のローンを組んでいる方は13%程度です。決してメジャーな選択ではないですが、今回改めて見直すと、フラット35には優れた救済制度があり「危機に強い」ことがわかります。

「返済特例」の存在

返済特例ときいてもピンとこないと思います。すごいところを一言で言いますと、条件を満たせば80歳までであれば最長50年という借り入れ延長が可能です。基本的にどこの金融機関も35年が最長です。これが簡単に言うと1.5倍延ばせるということです。どれくらいのインパクトがあるかというと、例えば4000万円を1%で借りる場合、35年返済だと約11.5万円が毎月の返済額ですが、やばいとなって50年にした場合、月々約8.5万円になります。月々の3万です。破綻するかどうか、というゾーンでこの3万は大きいですよね。これをフラット35は持っているんです。

これはもしかしたら、民間の銀行の通常の住宅ローンの場合でも人によっては相談したり、審査をし直してもらったりとかすることで何とかやってもらえることかもしれません。しかし、制度として明確に持っているのはフラット35だけです。住宅金融支援機構という公的機関だからこそここまでの救済があるのだと思います。

もちろん条件はあります

先に軽く述べましたが50年延長は、あくまで「条件を満たせば」です。気軽に「やっぱり50年の延長戦突入で」といっても受け付けてくれません。条件としては、

①病気や入院、離職等の事情で、返済が困難になっていて(新型コロナウィルスによる業績悪化も適用になりました)、

②以下のいずれかの条件を満たしている人

・ 年収が機構への年間返済総額の4倍以下

・月収が世帯人数×6.4万以下

・ 住宅ローンのの年間返済額の返済負担率が一定以上※1で収入減少割合が20%以上(※1年収300万円未満:30%、300万円以上400万円未満:35%、400万円以上700万円未満:40%、700万円以上:45%)

②に関しては「いずれか」ですので、例えば前の項目でお伝えした約4000万の借り入れで11.5万毎月支払っていて年収700万の方が、コロナで業績悪化し年収が500万になりました、という場合は、一番最初の年間返済総額の4倍以下(11.5万×12か月>年収500万)なので、対象となります。

何が起きるかわからない世界多少高くても「安心」の意味はある

2011年の東日本大震災、2020年の新型コロナウィルスと、本当に何がおきるかわからない世界になってきました。今まだ金利が上がるかなんてわからないですが、急にインフレになっても全く不思議ではない世界です。住宅ローンは長丁場ですから、支払う金額も重要ですが、どれだけ安心して気分よく返済し続けられるかという観点も重要です。そのようなことを考えると、住宅ローンで「危機に強い」フラット35を選ぶという考え方も今後強まってもいいかなと思っております。

 

 

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