東京人口減少 一極集中は解消される? 不動産は下がる?

2020年の年末に2020年1月〜11月までで東京の人口が3万8720人減少した(1403万6721人から1399万8001人へ)と発表されました。テレワークなどの影響ということと報道されましたが、では東京一極集中は是正されて、地方に人が分散されるのでしょうか。(以下あくまで個人的な見解です)

そもそも東京一極集中の原因

東京に人が集まるのは政治経済の中心地だから、と学校で習ったと思います。千代田区1−1 皇居に天皇(帝)が居て、その側永田町に国会議事堂(幕府)があるため、経済も何もかもここが中心になってると言えます。鎌倉時代とかは帝は京にいて政治は鎌倉という感じで別れてましたが、室町時代は帝も幕府も京にあったということで、概ね室町時代に近い感じなんじゃないでしょうか。室町時代といえば東山文化とか北山文化とかでならったと思いますが、やっぱり京近辺が経済文化の中心になるわけです。

根本的に構造上は遷都するとかがない限り、東京に集中するのは仕方ない話かと思います。まあ江戸時代も帝(京)と政治(江戸)で分離してたんで長い歴史で見ると2つが別れているほうが普通なので、いつかそういう日がきてもおかしくはないと思っていますが、変わる要因がないですよね。

20年度に起きた東京の人口減少

新築と中古、コロナで東京の人が転出したと言われていますが、実際の転出先は神奈川、埼玉、千葉がほとんど。ちなみに23区からの転出先で最も多いのは東京の市部(三鷹市とか)でそれが過半数。その他は流山市(千葉)、藤沢市(神奈川)とか、基本は東京にアクセスする前提の市区町村だそうです。本質的に東京圏を出てはないわけです。

また、20年度当初の都民1400万人から20年度末に3.8万人減ったということで、減少率はざっくり0.27%なのですが、そもそも2008年以降日本全体で人口減が起きておりそれがだいたい0.29%です(年によりますが)。基本的に自然減とそんなに変わらないわけです。

転出先が結局東京圏であること、実際減ってるのは人口の自然減レベルであることを考えると、結局実質的に東京圏の人口はコロナであろうと別に減少してない=まだまだ東京の不動産価値が下がるということはないと考えても良さそうです(2022年当初の現状)。

今後どうなると思われるか

とはいえ長い目で見れば、東京の人口に減の要素も増の要素もあるので、うかうかはできない状態ではあります。まず出生率ですが東京の出生率は47都道府県でぶっちぎりの1位です。沖縄が1.86のところ東京は1.13でほぼ一人っ子の家庭がメインになり、自然に子供が増えるということはなさそうです。

とはいえ、ビジネスの中心が東京にある限り、よその都道府県の子もある程度の年齢になったら東京に転入するわけで、世帯数はキープができるとも考えられます。

また、人口に大きな影響を与えるのは、よその国の移民、とりわけ外国企業の転入先が重要になってくると思いますが、外資系企業の所在地の8割が結局東京・神奈川・千葉・埼玉となっています。内閣府の出しているスタートアップエコシステムの誘致先も結局東京が入ってるので、この状況は今後も変わらない可能性が高いですね。

結局東京圏は人口減の予測は立ちづらく、不動産価格も急に安くなることはない見込み

これまで見てきましたが、東京圏と考えると、人口が自然減程度に減ることはあるとは思いますが、急に減るということはなさそうです。そういう意味で急に都内の不動産価格が下落するということはなさそうです。しかし、これはあくまで土地という観点からであり、古くなって建物価値がなくなったとか、孤独死があって価値が落ちた、とかは増えていくと思いますので、そういった物件で安いものというのは出てくるのではないかと思います。

 

 

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