マイル修行というと何のことやらという感じかもしれないですが、一時期的に飛行機にいっぱい乗って航空会社から上級の権利を獲得して、その後毎年約1万円のカード代を払ってその権利をずーっと維持する、というものです。上級会員になるとマイルの取得率も良くなるし、マイルでの引き換えの航空券の取得も繁忙期でも容易になるとかメリットが多いため、飛行機が好きな人は結構がんばって(修行して)取得していた、というものでした。
わざわざ修行と言われる所以は?
修行と言われるのには理由があって、例えばANAの2020年までの上級会員になる条件は「1年間で5万プレミアムポイントをためる」でした(21年から一般人にはさらに難度が上がる制度に改悪)。これ5万プレミアムポイントをためるためには、大体上手にやって羽田と那覇を12,13往復する、およそ50-60万をつぎこむということが必要です。
出張族ならまだしも、一般人にとって羽田と那覇を月イチで往復するイベントなどありません。ただただこのマイルを獲得するためだけに頑張って週末の休みに沖縄にいき、観光もせずとんぼ返りするということを繰り返すわけです。狭いエコノミーでです。これが修行といわれる所以です。
修行をして得られるちょっといいこと=上級ラウンジ利用かマイルの貯まりやすさをあげる人が多い
結局この上級資格に何を求めるかで修行する価値があるか決まりますが、私の周りでこの修行をした人の多くはこの修行の理由として「空港にいったとき、ビジネスクラスのラウンジでくつろぎたい」「マイルが貯まりやすくなるならそうしたい」ということを上げていました。なんだかんだで、出張族でもない普通のサラリーマンがそうしょっちゅう海外に行くわけではなく、また別に特典旅行の枠が少ないところにガンガン予約をいれていくほど休みがあるわけでもありません。
そういう意味で、一般の人にとっては、ちょっと贅沢できるラウンジや、マイルをためて年に一度の家族旅行をマイルを使ってビジネスクラスにアップグレードというのが主たる目的だったわけです。
コロナによって縮小するサービスと迫る有効期限
コロナによって上記に上げたメリット2点とも、あまり強いメリットになってこなくなってしまいました。まずラウンジですが、以前はANAもJALもビジネスクラス用のラウンジ(JALのサクララウンジって名前聞いたことないですか)はビュッフェ形式で軽食が食べられ、生ビールのサーバーがあって、搭乗時刻まで優雅に過ごせたわけですが、今は飛沫防止でラップに入ったケーキとかそういったものになっているそうです。ANAも同じような形で手作り感のあるおにぎりとかではなく、袋に入ったおにぎりで、コンビニおにぎりをほうふつとさせると聞きました(私もサラリーマンですがから会社から飛行機や海外渡航禁止のため、自分で見たわけではなく人づてきいたことですが)。
また、一方のマイルの貯まりやすさも、貯まったとしても一般のサラリーマンだと、会社から海外旅行などは禁止されてるところも多いと思いますので、事実上使えないとなります。ANAもJALもマイルの有効期限はありますので、おそらく多くの方はこのコロナの2.3年で大方消失するのではないでしょうか(もしくはものに変えるか)。そういう意味でここしばらくはマイルをためるより、楽天などの換金できるポイントにしてしまう人のほうが実利があるかなと思います。
しばらくマイル修行というのは息をひそめるんじゃないでしょうか
上級資格を無理してとってもラウンジなどそんなにいい思いできない、マイルもためても結局消えてしまうのでは、50-60万使う意義は感じられないですよね。航空会社の将来もわからないので苦しくなったら改悪するでしょうし。そういう意味で、私は今無理して修行したり、航空会社のクレジットカード作ってマイル貯めたりする必要はないと思います。
既に引き落としのカード、航空系のマイルが貯まるカードで指定している方いらっしゃいませんか。この際どこかで見直して現金に近いポイントにできるものにしばらく変えてみるのはいかがでしょうか。保険とかね。