クレジットカード持ってると、「フリーケアプログラム」という名前で「がん保障を無料進呈します」というような形でダイレクトメール(以下DM)が届きませんか。年会費無料のカードでも届くので、なんか裏があるのかな、とかいろいろ思ったりすると思いますが、まあタダで損しないならいいかと思ってしまいがち。いったん冷静にどんな価値が保険会社から受け取れ、どんな価値を支払ってるか考えてみましょう。
無料と追加保障の2枚刃
まず第一に、無料で何を受け取れるかはっきりさせておきましょう。DMを見ると大体どこも2枚刃の構成になっていて、私の例だと、①無料プランを申し込みますということでサインをしてください。②追加保障プランを申し込む方はこちらにもチェックをしてください。となっています。それで無料という割に、②のほうはそこそこ豪華で、よく見ると月々1500円とかの金額が書かれているわけです。
多分送ると何%かの人が追加保障も無料進呈と間違ってチェックしちゃうんでしょうね。まずこのトラップを理解しておきましょう。追加保障は有料です。普通にネットで最安の会社を探したらもっと安い保険がおそらくあります。
無料だけなら価値があるか
無料の内容ってどうなんでしょうということですが、概ねがん保険の場合、2年間の期間の保険で、その間にがんと診断された場合、3万円とか5万円とか一時金でもらえますという内容です。2年間の定期で、その後自動で更新はしないので、ご安心ください。という感じです。
一時金3万円って、、、。この時点でちょっと無理がある感じがありますが、まず冷静に考えてみましょう。
まず、3万円という金額です。考えてみていただければと思いますが、がんの手術って少なくとも数十万単位ですから、保険の最大の価値である「安心」という意味は全くないといっていいでしょう。結局本気で安心したいなら上記の追加保障をうけてください、という話です。なお、普通のがん保険は少なくともだいたいがんと診断されたら一時金で100万は出て、入院に日ごとに5000円出ます。月々約1000円で一時金100万受け取る形ですから、3万円受け取る保険というのは単純計算でいくと、価値としては月30円程度支払いの保険です。
また、期間ですが2年間です。がんは2人に1人がかかるといわれていますが、若い方がなる確率は極めて低く、30代でがんになる確率は0.1%です。小学校の頃に100%とは言えないから「99.9%ねーよ!」みたいないい方したことあると思いますが、まさに30代でがんは99.9%ないのです。40代の10年後の確率でも男で2%とかそれくらいです。DM送ってる対象で2年間にがんになる可能性はほぼゼロに近いとなります。
なので簡単に言うと、保険会社からすると無料の保険は支払うリスクゼロでできる営業手法となり、タダでも痛くもかゆくもない商品なわけです。
こちらは個人情報を差し出すことになる
では逆に、この無料進呈を受けるとこちらが支払うものは何か、ということになります。それはあなたの個人情報です。申し込むとあとはこの追加保障の営業の連絡がきたり、がん保険以外の保険の勧誘などがくるということになります。断るにも時間がかかりますので、それはそれで自分自身の時間というコストを払うということになります。
まず帰ってこないお金にであり、保険価値としても30円、やり取りをするコストと合いますか、ということです。個人情報は30円よりはるかに価値があります。いろんなアフィリエイトのサイトで見ていただければと思いますが「保険相談をしたらクオカード5000円あげます」みたいなものはいっぱいありますよ。そっちのほうがリターンとしてははるかにいい。
というわけで、クレジットカードの無料保険は入る必要なし!と私は思います。