マンション関連法改正によりマンションの建て替えは進むのか

昨年(令和2年)にマンション法の改正が公布されました。施行がおよそ2年以内なので、今年か来年から開始という形になりました。古いマンションが建て替えたりできるようにと、行政含めて管理がしやすくなるように、というのが大筋の目的なのですが、実際のところ、どうなるんでしょう。建て替え間際のマンション安く買って、お安く新築マンションGETといくかしら?

そもそも法改正の理由は

マンションはほとんどが都市部にありますが、概ね日本のマンション民は国民のおよそ1割ちょっとくらいと言われています。10人に1人はマンションに住んでるという感じです。こう考えると結構いますよね。

その10人に一人が住む日本のマンションですが、戸数は令和1年時点では665万戸。そのうち築30年以上の築古マンションが約210万戸。およそ3分の1が築古のマンションなんですね。マンションって当たり前ですが、なんといってもコンクリートの塊です、朽ち果てたら危ない物ですよね。その危険をさけるために、古いものは建て替え、もしくはきちんと修繕したり補強したりということをしてもらいたいということになります。

海外では築100年以上経過しているマンションもあったりしますが、日本は地震大国です。国としては鉄筋コンクリートの耐用年数は47年とみています。特に現在40年を超えているような古いマンションは、耐震基準も現在より条件が甘かった部分もありますので、国としては何等かの対処してほしいのです。

どんな法改正なのか

平たく言うとこんな感じです。※正確には図をご覧ください。

①マンションの適正管理について地方公共団体が管理監督するぞ

②古くて危ないものは建て替えたらちょっと大きなマンションにしてもいい(=容積率の緩和)許可を出すぞ。

③敷地を分割して売るということもしやすくするぞ。

この図の下の部分をみていただくとわかるのですが、現在25年を超える長期の修繕計画があるマンションが大体半分のようですね。逆に半分は長期計画はないということで、自分で買って住むならちゃんと計画があるところにしたいですね。

また、古くて危ないものが大きなものにできるというものですが、これは令和2年の改正の前に「耐震性の古いものは建て替えたら大きくしてもいいよ」という法律が先行していたのですが、実際どれくらいの緩和が実績としてあったかというと東京の三田のマンションで敷地に対して400%までの大きさ制限のところが460%程度まで大きくできたという事例があります。そういう意味で、2倍3倍というわけではないですが、若干大きくできるという感じですね。

最後は5分の4(80%)の賛成が必要というハードルがあるものの、大きな団地である一棟だけ土地を売るということができるようになります。

新しいマンションの管理は強化されるでしょうけど、建て替えまでは進まないでしょうね

結局のところ建て替えや敷地を分筆して売ったりするのはハードルが高いでしょう。国の目標も600万戸あるマンションのうち、令和7年度で180戸程度進めばいいと考えているようですしね。そういう意味で「ガンガン建て替えがありそうだから古くて安いマンション買っておく?」みたいなよこしまな考えはしないほうがよさそうです。

むしろ、管理組合のコストが増えるんじゃないですかね。

 

 

 

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